イラストレーターやフォトグラファーの仕事をはじめて、もう20年が経つが、つくづく「人との出会いだな〜」と感じる今日この頃。
まだ20歳代の頃、漫画家になりたくて、でも実力も伴わずになかなかきっかけが掴めなかった時、生活のためにやむをえず、漫画とは関係ない職業に何度か就いた事もある。
しかし、我が儘で自尊心が高く、気の短いぼくは、無能な上司には服従する事ができなかった。
相手も、ぼくから小バカにされているのを薄々感じている様で、そんな上司とは大抵喧嘩して、仕事をやめるパターンが続いた(笑)。
そんな時、某デザイン会社の「イラストレーター募集」の新聞広告が、目に止まった。
その会社に行って社長と面接をしている時、横からひょっこり現れた男性が、ぼくのサンプルイラスト(コミックイラストだったが/笑)を見て、
「いいんじゃない」
と一言社長に進言。以後独立までそのデザイン会社にお世話になる事となったのだ。
進言してくれた男性は、その会社の先任イラストレーターさんで、彼はぼくのイラストの可能性を認めてくれて、いろいろ指導してくれ、自分がやっていたイラストも全部任せてくれて、以後デザインの方に専念する様になった。
ふつうの人間なら、自分の地位を脅かす様な後輩のイラストレーターが現れると、ライバル視したり、なにかと摩擦があるものだが、彼はなにもかもを受け入れ、先輩として自然にぼくに接してくれた。
彼に会えなければ、ぼくは今、こうして商業イラストレーターとしてやっていなかったかもしれないなぁと、つくづく思うのである。
そんな出会いが、ぼくにとっての幸運だったのだ。
ぼくの職業は、お互いの相性もあり、技術があるから成功するという訳でもなく、やっぱり出会いの運も必要だ。
運のいい出会いがあって、今の自分がある。
イラストでも写真でも、そういう出会いの積み重ねで、ここまで来る事ができたのだ。
これからもいくつもの出会いがあるとは思うが、運を引き寄せるために、作品作りには真摯にならなきゃいけない。
最近の自分はだらけ気味で、そうすると、出会いの運も逃げていく気がするのだ(笑)。