センターコートで携帯
3rd Jul.2004
久し振りにテレビにかじりついて観た、2004年ウインブルドン女子決勝。
準々決勝で杉山愛×マリア・シャラポアの試合を観た時から、シャラポアのファンになってしまったからだ。
17歳2ヶ月のロシア出身。183cmの長身から繰り出すサービスは強烈で、そのスレンダーなスタイルからは想像できない程の、パワーとスタミナと精神力。パワーもあるけどミスも多い、一か八か的なあやういテニス。そのくせ、凡ミスが続いたり追い込まれたりした時に見せる、せつなそうで投げ遺りな眼差しが、彼女の未熟さを物語っていて興味深い。
杉山戦では、最初杉山を応援しようと思ってテレビをつけたのだが、いつの間にかシャラポアの虜になってシャラポア応援(笑)。
前回の全仏オープンで、初めてシングルスベスト8に進出した彼女は、ウインブルドンでも急成長。
第1セットは7-5で杉山が奪い、第2セットも最初は杉山が押していた。守勢にまわるシャラポアの表情は悲痛に満ちていて、いまにも泣き出しそうなくらいで「あ、この子このまま終わるかな」と思わせるものだった。
それなのに苦しい中、徐々に杉山をパワーで圧倒しはじめて、7-5で第2セットを奪取。そうなれば若さと勢いで第3セットはいっきに攻勢。6-1で杉山を破ったわけだ。
決勝の相手はウインブルドンV3を狙う女王、セレナ・ウイリアムス。
杉山との試合を見ていて、あんな不確実なテニスじゃ女王には勝てないだろうなと思っていたが、蓋を開けるとびっくり。
とても17歳とは思えないしたたかさと技の多彩さで終始セレナを圧倒し続けた。何度かサービスブレイクのピンチを迎えたが、気魄で女王セレナを上回って、しのいできた。
圧巻は第2セット第5ゲーム。このセットついにサービスブレイクされて1-3となり、しかもセレナが次第に調子が上がってきていたゲームで、ゲームの流れはセレナに向かっていた。
セレナはサービスからネットダッシュで、シャラポアにプレッシャー。だが、それを見透かしてシャラポアは強烈なボディショット。セレナはもろに顔面にボールをくらったのだ。これにはセレナも逆上したらしく、おかげでセレナに傾きかけていたゲームを引き戻す事ができた。
結局、女王セレナ相手に6-1、6-4で快勝。ウインブルドンで初のグランドスラムのタイトルを手にした。
マリア・シャラポア素敵過ぎ!
優勝した後、観客席のロイヤルボックスまで人込みをかき分けて駆け上がり、父親と抱擁。その後授賞式のためにコートに戻ったものの、今度は観客席からなにか回ってきた。なんとそれは携帯電話。シャラポアはいきなりセンターコートで携帯をかけ出したのだ。その姿はどこにでもいる女子高生と変わらない。ウインブルドンを制したとは思えない子供っぽさだった。
ウインブルドンの神聖なセンターコートで携帯をかけたのは、シャラポアが初めてではないだろうか?
う〜ん。ケント公も思わず苦笑い。
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