■人物の切り抜きは、地味だけど大事な作業
CGを作る上で、いかに綺麗に自然に人物を切り抜くかは、とても大切な事だ。
人物を別の景色や素材にはめ込んだり、プロポーションや色調を修正したりするのには、人物の選択範囲をキチンととる必要がある。
とは言え、人物の切り抜きは、初心者には地味でおそろしくつまらない作業になり勝ちだ。
ぼくも切り抜きはしないですむならそれが一番。この作業が面倒臭いばかりに、頼まれ物のCGの完成が1年2年と延びていく、、ああ。
そんな人物切り抜きは地味だけど大事な作業なので、しっかりマスターしよう。
■選択範囲を取る方法
人物を切り抜くためには、まず人物の選択範囲を取る必要がある。
選択範囲の取り方にもいろいろあるが、ここでは4つの方法を紹介しよう。 同時にそれぞれの長所や短所もおおまかに説明しておく。
Photoshopは選択範囲との戦いなのだ(笑)。
自分に合った切り抜き方法をマスターしよう。
■消しゴムツールで切り抜く
○ レイヤーマスクの知識がなくてもできる。
× ブラシでの作業になるので、ある程度のテクニックがないと綺麗に切り抜けない。
× 一度消したら二度と修復できない。
■自動選択範囲ツール→レイヤーマスクで切り抜く
○ 簡単にできて便利。
○ はっきりした色の部分は、サクサクと選択範囲がとれる。
× 自動選択範囲ツールでは、境目にジャギができやすい。
× バックとの色の境目がはっきりしない場合は、選択範囲がとりにくい。
■多角形ツール(なげなわツール)→レイヤーマスクで切り抜く
○ 比較的簡単にできる
○ バックとの境目が見え難くても、思う通りに切り抜ける。
× なげなわツールでは大きな面積を一度に選択できず、職人芸が必要。
× 多角形ツールでは直線の連続になるので、カクカクした線になり勝ち。
■パス→レイヤーマスクで切り抜く
○ 思う通りの曲線が出せ、綺麗な切り抜きができる。
○ 後から線の修正が簡単。
× 使いこなしにある程度の習熟が必要。
■プラグインの切り抜きソフトで切り抜く
○ 比較的簡単で確実に切り抜ける
× ソフトが高価
■消しゴムツールは使わない!
人物を切り抜くのに消しゴムツールを使ってバックを消す方法もあるが、これは使わない方が賢明。
消しゴムツールを使うと一度消したものは取り返せないので、融通が利かないからだ。
レイヤーが増えるのを嫌う気持ちは分かるが、どうせCGはレイヤーが増えるものだ。
あとの事を考えると、アルファチャンネルを使う方が便利。
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もっとよくわかる用語解説
■切り抜きサイズ
人物を切り抜く場合、使用サイズは大きな要素になる。
500px程度のWebサイズなら、それほどまで精度は要求されないが、A4等にプリント前提なら、かなり気合いを入れて切り抜く必要がある。
まりりんは後々の使い回しの事を考えて、撮影した原寸で切り抜いている。
Webにアップするにはオーバースペックだが、多少荒く切り抜いても縮小されて綺麗になるからだ。
■切り抜きソフト
Extensis Mask Pro等、切り抜き用プラグインがサードパーティから出ているので、お金に余裕があればそれを使うのもいいかもしれない。
まりりんは使った事はないが、一説によれば煙もそれらしく切り抜けるとか。
価格は上記のMask Proで29.800円くらい。
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